Azure リソースグループに付与したタグ別に利用料金を確認するために Cost Management のタグの継承機能を利用してみた
Azure サブスクリプション内のリソースグループに付与した特定のタグの値別に利用料金の内訳を確認したく、Cost Management の「タグの継承」機能を利用してみました。備忘録も兼ねてブログにします。
リソースグループに付与したタグは暗黙的には継承されないことがドキュメントに記載されています。
- タグはリソースに直接適用される必要があり、親リソース グループから暗黙的に継承されることはありません。
そこで、Cost Management において明示的にタグの継承機能を利用することにより、リソースグループに付与したタグを用いてリソースグループごとの利用料金を確認することができました。
リソースグループのタグの値別に料金の内訳を確認したコスト分析画面の例です。
タグの継承機能のイメージは上記で紹介したドキュメント内の図がわかりやすかったです。「Resource group 1」に付与したタグ「App: website」は継承されますが、配下のリソースにタグが付与されるわけではなく、使用状況レコードに継承されるようです。リソースのタグ設定画面を見てもタグ「App: website」は存在しませんが、Cost Management 機能上ではタグ別に料金を確認できます。
引用元:タグの継承を使用してコストをグループ化して割り当てる - Microsoft Cost Management | Microsoft Learn
以降では、Cost Management の「タグの継承」機能を実際に有効化して、リソースグループに付与されたタグの値別の利用料金の内訳を確認してみました。
Cost Management の「タグの継承」機能を試してみた
「タグの継承」設定は「コストの管理と請求」→「Cost Management」→「構成」から設定できます。スコープには設定したいサブスクリプションを指定しています。
「編集」から設定を有効にします。まず、サブスクリプションとリソースグループのタグを自動的に適用する項目にチェックします。そして、もしリソースに対して継承されたタグと同じ名前のタグがあった場合に、どのような動作とするか選択します。リソースのタグの値を保持するか、サブスクリプションまたはリソースグループのタグの値を利用するか、です。今回はサブスクリプションまたはリソースグループのタグを利用する方を選択しています。これらの違いは リソース タグと継承タグを選択する において図付きで説明があるため、こちらを参照してから検討するのが良いと思います。
24 時間以内に反映されるとの記載があります。
Inherited tags are applied to usage data for the current month within 24 hours.
タグの継承設定のステータスはすぐに「有効」に変わり、正常に変更されたことを確認できました。
リソースグループには次のタグを付与してみました。1 つのサブスクリプション内で組織ごとに利用料金を配賦するイメージです。
Key | Value |
---|---|
CmBillingGroup | <費用請求先の組織名> |
リソースグループに付与したタグの例です。サブスクリプション内のリソースグループには全て CmBillingGroup タグを付与しました。
しばらく経った後に、コスト分析機能において、グループ化条件で「タグ」→「cmbillinggroup」を選択することで、タグの値別の料金を確認できました。すごく便利です。
シンプルに月別のテーブル形式表示にした例です。この条件でビューを作成しておくと、毎月の配賦作業のための集計を楽にできそうです。
なお、リソースグループ配下のリソースには「CmBillingGroup」タグは付与されていないことも確認できました。
最後に注意点ですが、タグの継承機能には利用条件があります。
タグの継承は、次の課金アカウントの種類で使用できます。
- Enterprise Agreement (EA)
- Microsoft 顧客契約 (MCA)
- Azure プラン サブスクリプションを使用した Microsoft Partner Agreement (MPA)
引用元:タグの継承を使用してコストをグループ化して割り当てる - Microsoft Cost Management | Microsoft Learn
さいごに
リソースグループごとに利用料金を配賦したい要件があった場合に便利な Cost Management の「タグの継承」機能を試してみました。リソースグループへのタグ付けだけでよい点の使い勝手が良かったです。
以上、このブログがどなたかのご参考になれば幸いです。